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株式会社あすなろ建築工房

ウッドショック・建材ショック近況報告

こんばんは。

あすなろ建築工房の関尾です。

先日、とっても久しぶりに
飛行機に乗りました。

コロナ前は、全国の工務店さんや
設計事務所さんに訪問して、
新しい技術や施工方法や
会社運営方法などを
学んでいたのですが、
この2年間はそれも出来ず、
インプットが足りない状況と
なっていました。

緊急事態宣言も解けたので、
鹿児島のベガハウスさんを
訪問してきました。

ベガハウスさんでは、
コロナ後に完成した
インバウンド向け民泊施設
「萌蘖(ほうげつ)」と
ショーホームと新社屋と
ベガ荘といろいろと
拝見させてもらってきました。

「萌蘖(ほうげつ)」
https://asunaro-studio.jp/l/m/AU6NOxZEJNCyKe

「ショーホーム」
https://asunaro-studio.jp/l/m/7goOoYX0cXyHew

「新社屋」
https://asunaro-studio.jp/l/m/qJwbbhCec9dqBr

「ベガ荘」
https://asunaro-studio.jp/l/m/cNU2yXpERXfyoX

調べてみたら、
以前にお伺いしたのは
8年も前のことでした。

8年間の間にとてつもない
進化を遂げられていました。

いい刺激を頂くことが出来ました。

前置きはこれくらいにして、
本題に入りたいと思います。

今週のメルマガは、ウッドショック、
建材ショック、その他の家づくりに
関わる最新情報をお伝えします。

まず最初に、
このところのトップニュースから。

11月4日に開催された国土交通省の
審議会において、省エネ基準の
新しい枠組みが発表されました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/Ya3pkGpsOhwigh

今まで省エネ基準の断熱等級は
等級4が最高基準となっていたのですが、
これよりも高性能な
水準となる基準案が示されました。

等級4とはUa値が0.87ですので
決して高い基準と言えるものでは
ありませんでした。

学術的立場の方々や
環境系の住宅関係者の方々からは
「もっと高性能の基準が必要だ」
と声が上がっていたのですが、
国交省が頑なに等級の上乗せ設定を
拒否してきました。

等級4以上の性能を
認めてこなかった理由としては、
表向きには
「中小工務店が対応できないから」と
されていたのですが、本当のところは
「ハウスメーカーが対応できないから」
でした。

皆様もご存じの通り、
等級4以上の性能を確保すること自体、
それほど難しいものではありません。

しかし、ハウスメーカーが作る
規格住宅の場合は、性能を上げるためには、
工場のラインを大きく変える必要があり、
規格変更は容易なことではありません。

性能を上げることが出来るのは、
一部のメーカーに限られてしまいます。

そのため、ハウスメーカーの団体である
プレハブ建築協会や
日本ツーバイフォー建築協会からは、
「上位等級設定は反対」
の強い要望が出されていたこともあり、
上位等級制定については
長く見送られてきていました。

等級4のUA値0.87は、世界的にみても
かなり低い基準なのですが、
これが日本の定める最高等級として
維持されてきました。

ハウスメーカーの営業的に
「ウチの住宅は最高等級です」
と言いたいがために、
等級4以上の上位等級の存在自体が
否定されてきてしまいました。

上位等級の設置を認めてこなかった
国土交通省ですが、以前のメルマガでも
お知らせした
「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の
省エネ対策等のあり方検討会」
での河野大臣などからの突き上げもあり、
ようやく重い腰を上げた形となりました。

「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の
省エネ対策等のあり方検討会」
https://asunaro-studio.jp/l/m/Ua5gSqKvugcV9b

国土交通省は、自らが定めた基準ではない
HEAT20の基準であるG2やG3という基準を
頑なに拒否してきたのですが、
さすがにここで新たな基準を設ける時間も
無かったようで、HEAT20の基準である
G2、G3という指標が盛り込まれました。

皆に分かりやすい指標が
示されてよかったと思います。

ハウスメーカーも今後は高性能化を
余儀なくされることになり、
国内の住宅の断熱性能が
高まることと思います。

以前にあり方検討会で
示されていた国交省・経産省・環境省の
三省で出されたロードマップでは、
2050年度のカーボンニュートラルの
実現に向けて、2030年までに
省エネ住宅が義務化され、
誘導基準も強化され、
創エネが広く導入されることに
なっています。
https://asunaro-studio.jp/l/m/rbyZjsSNRSHDFd

これからの動きが
加速してくる期待が出来ます。

省エネ基準の新しい枠組みについての話は
これくらいにして、今回はウッドショック、
建材ショックの情報をお伝えします。

11月8日の木材新聞に、
このところの建材の混乱を総括する
記事がありました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/G4Tw4GTNPiayxT

「サプライチェーン混乱 
今度は住設・建材不足と値上がり」
の記事です。

これまでのメルマガで
お伝えした通りの内容です。

トイレや給湯器だけでなく、
あらゆる建材が不足と値上がりをしています。

11月5日の業界紙である
新建ハウジングの記事に
「リクシル瀬戸氏、決算説明会で
年内2回目の値上げに言及」
というものもありました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/hkJLYcLAXtddLU

原材料の高騰などを理由に、
今年にはいってから2回目となる
ユニットバスの値上げを
検討中とのこと。

住宅設備器具の値上がりが
まだまだ続きそうです。

最近は品不足、
金属価格高騰のために、
既設の住宅からエアコンの室外機や
給湯器が取り外されて盗まれる事件も
起こっています。

先日の工務店編集会議で
ちょうどそんな話題があがり、
ネット記事に取材協力しました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/DBHBoD5CASnpV6

使っている器具を外していくので、
かなりタチが悪いです。

エアコンの室外機は
金属ゴミとして売るため、
給湯器は新品が手に入らないため、
に盗まれているようです。

我が家での監視カメラの様子の
写真などを提供しました。

実際の防犯カメラ映像は
私のブログにあります。
https://asunaro-studio.jp/l/m/UhKBu2MUYm9Uaw

建材不足のところから脱線しましたが、
このところ建材が軒並み値上がりし、
また不足しています。

11月1日の木材新聞には
「第2波の資材ショック」
として紹介されています。
https://asunaro-studio.jp/l/m/tf88zDhddSGKrG

記事内にもあるように、
合板は相変わらず毎日のように
値段が上がり続けています。

木材や羽柄材と呼ばれる下地材も
一向に値が下がる様子が見えないです。

ただでさえ合板の基材となるB材が
不足していて価格が
高くなっているというのに、
ここへきて
「接着剤が急騰、転嫁急ぐ」
の記事が11月2日の
木材新聞にありました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/3BOeCINzpgYSIf

中国で接着剤の原料となる
尿素の供給量が減り、
接着剤価格が高騰しているとのこと。

合板には大量の接着剤が
使われています。

今後も値上がりは
避けることが出来そうにありません。

本当に困ったものです。

それに応えるように
翌日の木材新聞に
「MDFを再値上げ」の記事がありました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/4jHMhbjqhy2wH4

MDFは細かな木材チップを
接着剤で固めたボードで、
家具や建具などの基材となります。

木材チップも接着剤も
高くなっているので、
MDFの製品自体も高くなるのは
当たりまえの結果です。

MDFはハウスメーカーや
大手ビルダーの住宅の建具や
家具に使用されています。

扉や枠材の心材となる部分で、
成形したMDFにプリントした
シートが貼られて製品化されています。

これまでウッドショックの影響を
極力表に出ないように
押さえてきたハウスメーカーや
大手ビルダーですが、
このMDFの値上げは販売価格に
大きな影響があるものと思います。

記事内には、他にも合板フローリングや
化粧ボードの値上げの記事があります。

記事によると
12月にまたいろいろと
値上がりするようです。

値上がりだけでなく、材料が無くて、
販売が中止になる建材も
出てきました。

例えばこちら↓
https://asunaro-studio.jp/l/m/iYtvtdH4JJ6ElP

本日12日の木材新聞の記事で、
アイジー工業のフッ素樹脂塗装商品が
販売休止になるとのこと。

リチウム電池の普及で
フッ素樹脂が不足し、
販売中止に追い込まれたとのこと。

世の中、どんな繋がり方するか、
本当に分かりませんね。

アイジー工業は、
金属系サイディングのメーカーです。

主に対象となるのは、
ガルスパンという商品名で
売られている金属サイディングです。

窯業系サイディングに比べると
シェアは少ないのですが、
金属系サイディングとしては、
一番売れている商品です。

素材となるガルバリウムに
使用している塗装である
フッ素樹脂が手に入らなくなっての
措置とのこと。

ちなみにあすなろ建築工房で
普段採用しているガルバリウム鋼板は、
ポリエステル系樹脂の塗装品なので、
直接的な影響は受けないと思いますが、
ガルスパンを普段使っている
住宅会社が乗り換えて来ることで、
今後品薄などが起こる可能性は残ります。

構造材の価格は
落ち着いてきたと思っていたのですが、
少し状況が変わってきました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/kRLQOvV3lkObAh

上記は11月11日の
木材新聞の記事で、
「柱・土台取りに高値続出」
の記事です。

私たちが作る無垢材でつくる
長期優良住宅は、防蟻材を
使いたくないので、
土台や柱は国産のヒノキ材を
使用しています。

このヒノキ材が高騰しています。

「構造材の値上がりは一服した」
と思っていたので、とても悔しいです。

以上のように、
本当に建材や住宅設備が
不足、高騰しています。

YKKapの樹脂サッシは
相変わらず納期が2ヵ月半です。

工事請負契約前に
発注する訳にも行かず、
契約後すぐに発注をかけても
「納期が2か月半後」となると、
現場はとても大変です。

基礎が出来て、
構造体が出来ても
窓が付かなければ、
雨仕舞いが出来ません。

窓の部分から雨が
吹き込んできてしまうので、
内部の工事が出来ません。

工事を一時中断したり、
着工を遅らせるなどの
判断をしている住宅会社も
多くあります。

工期への影響は避けられないです。

これまで納期遅れの連絡がきている
住宅設備器具を挙げてみると
下記となります。

便器
洗浄便座
給湯器
食洗器
ガス衣類乾燥機
エアコン
インターホン
電気錠
ユニットバス
自動水洗
ダウンライト

これまでのお客様も
食洗器が無いまま、
ガス衣類乾燥機無いまま
にお引渡しし、納入が
出来次第設置することで
進めてきていましたが、
「ないまま」では生活に
支障の出る設備器具も
影響を受けて来ているので、
今後はさらなる業界の混乱が
予想されます。

周りの工務店さんからも
「引き渡せない」という悲痛な声が
聞こえてきています。

この2週間で深刻度が増しています。

明るいニュースがなく、
暗いニュースばかりで
本当に申し訳ないのです。

しかしこれが、建築業界の現実です。

そんな中で私たちのような
地域工務店が出来ることは、
山やサプライヤーの人たちと
連携を深めていくことしかありません。

先日も和歌山の山長商店さんと
打合せと懇親会を行い、
情報交換を行いました。

来月は神奈川県産材の
森林組合の視察にも参加してきます。

顔の見える関係を
しっかりと築いておくことが大事です。

今出来ることをしっかりと
行っておきたいと思います。

ウッドショック、
建材ショックの話に紛れて
気になる記事がありました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/F27xJ4OGdxeH3h

あのオープンハウスが
関西に進出するそうです。

関東地方に住む人たちは、
皆が感じていると思うのですが、
「駅から自宅に帰るまでの間の土地で、
古い家屋が解体されると
オープンハウスの建売住宅が建つ」
という現象が関西地区でも
起こるようになるってことです。

極限までに土地を分割して、
周辺環境などはまったく考慮せずに、
部屋数だけが確保された家が
増殖していきます。

以前のメルマガでもお伝えしましたが、
20年後、30年後にどうなるか
想像してみてください。

土地を分割するのは簡単ですが、
くっつけること、
つまりは合筆することは
とっても大変なことです。

お隣同士が同じタイミングで
建物を解体し、
土地を売却する必要があります。

自分たちの都合だけで、
土地を処分することが
出来なくなる可能性が高いのです。

20年ちょっとしか
耐久性のない家が大量に
供給されています。

断熱性能も現行基準ギリギリなので、
夏は暑くて冬は寒い家です。

光熱費と修繕費が莫大で、
住んだ後から大変な家です。

30年後、40年後、50年後に
暑くて、寒くて、階段が急で、
収納が少なくて、費用がかかって、
住まいにくい家に
我慢して住み続けなければ
ならないのです。

分かって購入されているのであれば
よいのですが、後から後悔される方が
また増えるのかと思うと
やるせない気分になってしまいます。

この現象が全国に広がっていくのかと
思うと、心配になってきます。

今回のメルマガは、
暗いニュースばかりに
なってしまいました。

次回は明るいニュースを
お伝えしたいと思います。

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