こんばんは菊池組・キクチです。
昨日、仲間の工務店から新住協の温熱計算ソフト、QPEXの入力内容について相談を受け、ZOOMでお話させて頂きました。
以前からQ1.0住宅の地域ギャップについて、そのうちブログかメルマガで説明すると言ってますが、今日がその日ではありません。
でも、実物件でリアルに数字に接して感じた思いを忘れないうちに文章にします。
付加断熱無し+樹脂サッシにペアガラスで(アルミ樹脂でもサーモスXのような高性能なサッシなら)UA=0.46以下になります。
これは日本の人口の大部分を占める省エネ地域区分6地域ではHEAT20、G2グレードに相当します。
1~3地域(北海道、青森県など、本州山間部など)におけるG2グレードはUA=0.28以下、付加断熱と樹脂サッシ+トリプルガラスが必須条件になり、5、6地域などと比較するとかなり厳しい条件ですね。(昨日お知らせした一条工務店さんはここをクリアする性能)
2018年度に北海道で新築された住宅のうち、このUA=0.28以下に相当する住宅は約2割だったというデータがあります。
(↓googleドライブに保存したグラフの図が開きます)
https://my164p.com/l/m/TmeQKlthCHUFPY
UA=0.28以下が2割もあるのはさすが北海道、青森県ではそんなに多くないだろうと思うのですが、
「G2グレードをクリアしてるのが2割」だとすると、その数字は少ないなあという印象に変わってしまいます。
1~3地域G2グレードのハードルが高いからしょうがないし、青森県はもっと少ないのでしょうけどね。
ではこの1~3地域のUA=0.28という、かなり高いハードルのG2グレードというのは、
6地域において結構楽にクリアできるG2グレードと比較して、それぞれの地域において、暖房負荷としてはどんな感じなのか。
■「6地域」のUA0.46+換気熱交換無し(3種換気)
■「むつ(3地域)」のUA0.28+熱交換有り(1種換気)
これでも前者(6地域)の方が暖房負荷が少ないのです。
ここで何が言いたいのかというと、
まず、
寒冷地、特に冬に日射が少ない地域においては、自分では鬼断熱だと思うレベルでも、日本の人口の大多数の地域における付加断熱ナシのペアガラスの住宅よりも寒いんだという事。
次に、
6地域などにおいては、UA=0.28以下の領域という領域はかなり暖房が少なくて済むレベルだという事。
UA0.46でも1~3地域のUA0.28よりも暖房少ないというのは説明しましたが、
さらに暖房負荷が少ない領域まで挑むハードルが寒冷地よりも低いという事。
6地域あたりでは断熱をどこらへんまで頑張ればちょうど良いのか難しいって事あるかと思うんです。
UA0.46でも寒冷地のUA0.28以上には快適になるんだから。
また、全館暖房や、それに近い状態での運用で比較しても寒冷地ほどは暖房費削減のメリットが出にくいから。
それでもちょっと付加断熱をするだけで部屋感の温度差が少なく快適な空間になります。外壁の厚みが増える事や高性能な防火サッシは都市部や準防火地域等ではなかなか難しいのかもしれませんが、皆が当たり前のようにやって行けば今よりもっと安くなるのでは?と思います。
以上までが私がQPEXで6地域の実物件のデータを触って思った事。
参考までに、
パッシブハウスの計算方法に準じたソフト「建もの燃費ナビ」で、パッシブハウス基準より性能を落とした年間暖房負荷30kWhにするために各地域ではどれ位の外皮性能が必要なのか、モデルプランを元に計算、比較したものが下の図にまとめられています。
(↓googleドライブに保存した図が開きます)
https://my164p.com/l/m/1isrLPr2FPOsog
外皮性能の話ばかりしましたが、プランニングや日射等のコントロールもかなり重要ですよ!
ではでは。
続きを読むには会員登録が必要です。