こんにちは。
シーナリーハウスの西村です。
今日から会社は本格稼働です。
スタッフも全ての現場廻りなどで
忙しい1日となりました。
今日のテーマは、
「調湿機能のある壁紙」についてです。
メルマガ読者の方には知っている方も
多いと思いますが、
私は普段、
大分市南春日町にあります
マンションに住んでおります。
モデルハウスとして使用している別宅の
別府市大観山町の「シーナリーの家」は
別荘感覚でたまに使用しております。
完全なる自然素材の家「シーナリーの家」と
新建材やビニールクロス、
既製品だらけのマンションを
自分で住み比べながら、
どちらも知り尽くしています(笑)。
今、このメルマガは
自宅マンション(13階)のリビングにて
書いているのですが、
温度計の室温は温風ヒーターの暖房を
使用して24度、湿度は18%となっています。
冬のマンションの部屋は暖房機器を使用すると、
どうしても過乾燥になってしまいます。
快適に過ごす部屋にするには
加湿器が必要になります。
壁は当然のごとくビニールクロスですので、
調湿効果などは全くありません。
では、
ここでみなさんに質問です。
調湿効果のある壁紙は存在するのでしょうか?
答えは、「存在します」です。
シーナリーハウスでも使用されていることが多い、
珪藻土を含有する「アースウォール」もその一つです。
「珪藻土クロス」とも言います。
詳しく記述しますと、
壁紙での調湿に関連する機能としては
「吸放湿性」と「通気性」の2つがあります。
「吸放湿性」とは、
壁紙自体で湿気を呼吸する性能です。
珪藻土などの多孔質成分により
空気中の湿気を吸収したり、
放出して調湿します。
「通気性」とは、
水蒸気が壁紙を通過して室内側と
下地側とを行き来する性能です。
壁紙よりも吸放湿性の高い石膏ボード等の
性能を利用することで調湿します。
調湿性を求めるなら紙や織物などの
天然素材の壁紙が良いでしょう。
しかし、
壁紙だけで得られる調湿機能には限界があります
室内の湿気を調整するには、
室内の余分な湿気を吸うだけの容量が必要です。
ところが壁紙の重量はわずか200~300g/㎡。
これでは必要以上の湿気に対しては
効果をなさないのが現状です。
逆に、
調湿機能(吸放湿性、通気性)があることによって、
水汚れを吸い込んだり、
下地に湿気が移行してカビの原因になったり、
下地のボード部分と継ぎ目のパテ部分で
変色しているように見えたりすることもあります。
もし、
壁に調湿機能(吸放湿性)を期待するのなら、
壁紙だけではなく、
吸放湿量の大きい下地材と一緒に
考えることが正しいと思います。
つまり、
吸放湿性の優れた重量のある下地を用い、
表面仕上げ材としては下地のその性能を
阻害しない「通気性」も優れた壁紙を使用することです。
壁面に調湿機能をもたせたいのなら・・
一番良い方法は、下地に厚めの石膏ボードを使い、
吸放湿性・通気性のある壁紙を表面に張ることです。
吸放湿性・通気性のある壁紙は湿気を透す能力が高く、
ビニールクロスの20~100倍程度は
湿気を透すことができます。
また壁紙単体としての吸湿量を比べてみてみると、
ビニールクロスの約10倍の性能があります。
(壁紙メーカー社内試験方法による)
ただし、
これですべてが解決するわけではありません。
湿度の高い部屋や湿気の残っている土地・建物では、
カビが発生したり、湿っぽくなります。
空調などを利用して室内そのものの
湿気を調整することが必要になります。
また、
長年使用していると下地のパテを塗布した跡が
浮かび上がることもあります。
これはゴ-ストマ-クと呼ばれるもので、
下地が呼吸するとき石膏ボ-ドのところは
空気が良く通過するが、
継ぎ目パテ部分は通過しにくいので、
チリ等の付着程度が変わってくるためです。
「アースウォール」のデメリットは、
漆喰・中霧島壁などの塗り壁と比べると見劣りしてしまうため、
本物志向の方には安っぽく感じてしまうかもしれません。
また、
使用する珪藻土の量が限られていることから、
塗り壁ほどの調湿・消臭性はないので、
期待しすぎないようにしましょう。
手入れの仕方として水拭きでは
シミになる可能性があるため、
汚れた部分に消しゴムをかけるか、
乾いたタオルで叩く方法がおすすめです。
なお、
ビニールクロスと比べると薄く、
下地に追従する力が弱いため、
下の壁の凹凸やクロスの継ぎ目が
目立つ可能性があります。
「アースウォール」の施工を嫌がる
業者さんもいるほどで、
ビニールクロスよりも
丁寧な施工が必要になります。
以上、
調湿機能のある壁紙として
「アースウォール」についてでした。
塗り壁よりも安価ですので全体予算の中で
内壁材のコストをどうしても押さえたい
ときにはおススメです。
ちなみに、原則として
シーナリーハウスでは塩化ビニール樹脂
などを主原料にしているビニールクロスの
使用はおススメしませんので!
ご了承ください。
では、
今日はこれで失礼します。
続きを読むには会員登録が必要です。