水戸工務店代表の小林弘典です。
梅雨だというのに雨も降らず暑い日が続きましたね。
このまま梅雨が明けるのかな、と思っていましたが、
今日は少し雲行きも怪しく、
長期の天気予報では梅雨っぽい空模様が戻りそう。
なので、梅雨時の暮らし方について
お伝えするタイミングかもしれません。
梅雨を快適に暮らすにはどうすればいいのでしょうか。
逆に言えば、梅雨を不快にしている原因は何か、と考えれば、
当然、高い湿度が問題、ですよね。
湿度が下がれば快適なので、除湿を行う、が最も簡単な答えです。
では、除湿をする方法って何があるでしょうか?と問えば
多くの方はエアコンと除湿機が思い浮かびますよね。
実際に空気中の水分を減らすこと考えれば、
この二つが一般的でしょう。
さて、エアコンと除湿器、どちらが除湿出来ると思いますか?
基本的にエアコンのほうが、簡単に多く除湿できます。
基本的にと言うのは、除湿機のほうが一時間当たりの除湿量が高いことが多く、
でもタンクに水が溜まったら運転を止める、という仕様がほとんど。
例えれば、除湿機は短距離走の選手のようなものです。
エアコンの場合、水を捨てるドレンで外部に排水しているので、
除湿量は除湿機より少なくても、ずっと捨て続けることも可能、
つまり長距離選手のようなものです。
なら、除湿はエアコンで決まりだね、となりそうですが、
そうもいかないのが除湿の難しいところ。
除湿でエアコンをつけていたら、寒すぎてつらい、とか、
冷房の設定温度を快適な26℃前後にしているけど、
湿度がぜんぜん下がらない、、、なんて経験は有りませんか?
これらはなぜ起こるのか?
エアコンの除湿のための動きは、エアコンの内部の熱交換素子を冷やして、
そこに室内の空気を循環させることで、結露を起こし、その水を排出する、
と言うのものです。
つまり、空気中の水分が結露を起こす「露点温度」にならないと除湿が出来ません。
露点温度にするためには、熱交換器を冷やしづづける必要があるので、
当然気温が下がります、、、と言うより下げ続けないと除湿が止まります。
実際は設定温度に合わせてエアコンは動きますので、
室内気温が下がり過ぎれはエアコンは冷やすのをやめます。
これが、サーモオフ、と呼ばれる制御機能です。
冷えすぎたから運転を止めているので、当然除湿も止まります。
このサーモオフを起こさない除湿運転もあり、
それは再熱除湿、と呼ばれます。
簡単に言えば、除湿のためにクーラーでグッと冷やした空気を
室内に戻す際に、ヒーターでもう一度温めて室温に戻す機能です。
↓こんな感じ↓
https://m-mitok.jp/l/m/XAs4PrZY08I6q0
これなら冷えすぎないので、除湿運転も続けて可能です。
ただし、冷やした空気をわざわざ温めるので、電気は余計に使います。
では再熱除湿でなければ、除湿出来ないのでしょうか?
答えとしては室温が上がれば除湿はできるので、
外が晴れなら太陽光を取り込むのは特に有効です。
少し強引な方法なら、電気ストーブなど水分を出さない暖房運転、なんていう方法も有り。
弊社で作っている家の場合、家の高い位置にあるダクトエアコンで冷房、
床下に入れてる、小型の熱効率がいいエアコンで暖房、と言う方法が、
エネルギー効率的にも有効です。
今の時期は外気を取り込むと室内の湿度は上がってしまうので、
CO2濃度や臭気など、空気質をチェックしているのであれば、健康上の影響が無い範囲で
24時間換気の風量を少なくするのも一つの方法です。
もしも、急激に除湿したい、なんて言うときは、
エアコンとデシカント式除湿機併用、と言う方法も有ります。
デシカント式除湿機は除湿する際の排熱も大きいので、
本来、夏にはありがたくない効果。
ですが、エアコンで冷房しながら、デシカント式で除湿しつつ気温を上げる、
という事であれば、急激に湿度を落とすことも可能です。
電気代はかかりますが、それは除湿性能に合わせて、と割り切れば使えないこともない。
除湿は簡単ではないですが、原理を理解してうまく使えば
快適に過ごせる方法が増えてきます。
ただ、一番大事なことは、建物の高性能化と、
それに合わせたエアコンにするための空調設計になります。
空調設計が出来ない会社は、大きめのエアコンを入れがちです。
冷房、除湿に関していうと、能力が強すぎるエアコンは、
冷えすぎるために除湿が働かなくなる、という事も起こります。
エアコンは出来るだけサーモオフせずに動き続けることが大事。
そのためにはエアコンの能力と、
外気からの熱影響のバランスが大事になります。
快適に過ごす住まいにするためには、建物の性能はもちろん、
その地域の気候特性の理解、そして空調を理解することが大切です。
一部の方を除き、ご自身ではなかなか出来ることではありません。
となると、依頼先が重要になるという事ですね。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします。
それでは!
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